クラウンアスリートとクラウンロイヤルの違いについて徹底解説

トヨタ・クラウンには、スポーティな走りを楽しめる「アスリート」と、快適性と高級感を重視した「ロイヤル」の2タイプがあります。デザイン、走行性能、装備など多くの点で差別化されており、ターゲット層や使用シーンに応じて選べるのが特長です。この記事ではアスリートとロイヤルの違いについて解説します。

目次

クラウンアスリートとクラウンロイヤルの根本的な違いとは

トヨタのフラッグシップセダンであるクラウンには、スポーティ志向の「アスリート」と、乗り心地重視の「ロイヤル」という二つのキャラクターが設定されています。

両者は同じプラットフォームを共有しながらも、デザイン、走行性能、装備といったあらゆる面で明確に棲み分けられており、ユーザーの嗜好やライフスタイルに合わせた選択が可能です。

コンセプトとターゲット層の明確な違い

クラウンアスリートは「走りの愉しさ」を軸に据えたモデルで、ダイナミックな走行性能と精悍なデザインを求める若年層や運転好きのユーザーを主なターゲットとしています。

一方クラウンロイヤルは「ゆとりある移動空間」を重視し、静粛性や快適性、安全性能を最優先した仕様。そのため快適装備や後席サービス性に優れ、エグゼクティブや長距離移動を多く行うユーザー層に支持されています。

クラウンアスリートとクラウンロイヤルの外観デザインの違い

フロントマスクとグリルの特徴

アスリートのフロントマスクは大型のメッシュグリルを採用し、エッジの効いたバンパーデザインでスポーティ感を演出。

ヘッドランプは鋭角的で、アルミモールやブラック塗装を組み合わせたアグレッシブな仕上がりです。ロイヤルは細幅の横桟グリルにクロームを多用し、上品さを強調。ヘッドランプも曲線的な意匠で、全体的にクラシカルな高級感を醸し出します。

サイドビューとホイールデザインの比較

アスリートではサイドシルに大胆なキャラクターラインを配し、車高をやや低めに設定。18~19インチの大径アルミホイールやローファットタイヤを標準とし、引き締まったフォルムを実現しています。

ロイヤルは17~18インチを中心に、サイドパネルは滑らかな曲面を維持。タイヤも乗り心地重視のハイプロファイルタイプを組み合わせることで、しなやかな乗り味を確保しています。

リアデザインとマフラーの違い

アスリートのリアはディフューザー風デザインのバンパーと左右二本出しのマフラーカッターが特徴。テールランプはシャープなLEDリングでスポーティさを強調します。

ロイヤルはマフラーカッターをバンパー内側に隠し、控えめなクロームモールで仕上げた落ち着いたリアビュー。テールライトも貫通型のLEDバーとクラシカルな造形で、高級サルーンらしい風格を漂わせます。

クラウンアスリートとクラウンロイヤルの内装と装備の違い

インテリアデザインとシート素材の比較

アスリートはドライバー側にフォーカスしたコックピットレイアウトを採用し、サポート性の高いスポーツシートを標準装備。

アルカンターラや本革のコンビシートに赤のステッチを配したモデルもあり、室内全体に引き締まった印象を与えます。ロイヤルはゆったりとしたベンチライクなリアシートも用意し、前後とも上質なシートと木目調パネルで構成、上級グレードでは本革シートも装備される。乗員全員の快適性を最優先したキャビンです。

インパネとメーターの意匠

アスリートのインパネはスポーツテイスト重視で、平坦なパネル上にメーターパネルを集中配置。メーターは青やオレンジのリング照明で演出し、専用ステアリングホイールにはパドルシフトを装備します。

ロイヤルは伝統的な水平基調を活かし、アナログ風のインストルメントクラスターとアナログ時計がエレガントさを演出。細部にクロームリングやウッドトリムを散りばめ、高級感を際立たせます。

快適装備と安全装備の比較ポイント

アスリートはドライビングサポートに特化し、アダプティブハイビームシステムやスポーツモード付き電子制御サスペンションを標準化。

一方ロイヤルは後席リクライニング機能やパワーシート、リアエアコンディショナーなど、長距離快適装備を豊富に装備。安全面では両グレードとも最新のトヨタセーフティセンスを採用しますが、ロイヤルは後側方警戒支援機能を強化し、後席乗員の安全確保にも配慮しています。

クラウンアスリートとクラウンロイヤルの走行性能と乗り心地の違い

エンジンラインナップと出力特性

アスリートのパワートレインは2.0Lターボ、2.5Lハイブリッド、3.5L V6ガソリンなど多彩で、最大出力は305PSを超えるモデルもラインアップ。ロイヤルは2.5Lハイブリッドと2.5Lガソリンを中心に、燃費と静粛性を重視した設定です。

サスペンションと足回りのセッティング

アスリートには電子制御式ダンパーを組み合わせたスポーツチューニングサスペンションを採用し、コーナリング時のロールを抑制。ロイヤルはソフトなスプリングと快適性重視のダンパー設計で、路面の凹凸を滑らかにいなす乗り心地を実現しています。

ハンドリングと乗り心地の体感差

アスリートはステアリングレスポンスが鋭く、路面からのフィードバックをダイレクトに感じられる反面、固めのセッティングがロードノイズを伝えやすい一面もあります。ロイヤルは静粛性に優れ、防振・防音対策を強化したキャビンにより長距離でも疲れにくいのが特長です。

クラウンアスリートとクラウンロイヤルのグレード構成と価格帯の違い

それぞれの代表的なグレード体系

アスリートは “Sグレード”や最上級グレードの“G”など、スポーティグレードが中心で、装備内容やチューニングに差異があります。ロイヤルは“ロイヤルサルーン”、“Gパッケージ”など、快適装備やインテリア仕様をグレード毎に細分化しています。

新車価格と中古車市場の動向

新車価格は210系前期だとアスリートが約360万円~約600万円、ロイヤルは約350万円~約600万円の幅。中古車市場ではアスリートのスポーツ人気により価格下落が抑制される傾向があり、ロイヤルは玉数が多く価格帯も幅広く流通しています。

歴史が語るクラウンアスリートとクラウンロイヤルの違い

ゼロクラウン以降の明確な差別化の歴史

1999年に初代アスリートが登場して以来、ロイヤル系とは独自のエクステリア・足回りを付与し、若年層の開拓に成功。その後世代ごとにスポーツモデルの性格を強化し続け、クラウン内での二極化を推進しました。

最終モデルにおける違いと統合の経緯

15代目(220系)以降は従来の住み分けを廃止し、“RS”としてアスリートの精神を継承。ロイヤル系と共通仕様をベースに、主に装備と内外装の演出で二つの個性を表現しています。

クラウンアスリートはこんな人におすすめ

街中やワインディングをしなやかに駆け抜けたいドライビング好き、精悍な外観とパワフルなエンジンフィールを好む若年層や自分で運転する機会が多い方に最適です。

クラウンロイヤルはこんな人におすすめ

後席でくつろいで移動したいエグゼクティブや、ご家族との快適なドライブを重視する方、静粛性や乗り心地を最優先した高級サルーンを求めるユーザーにおすすめです。

まとめ

クラウンアスリートは力強いエンジン性能と精悍な外観、スポーティな足回りを求めるユーザーに最適です。一方、クラウンロイヤルは上質な乗り心地と高級感あふれる内装、充実した安全装備を重視する方に向いています。価格帯やグレード構成も異なるため、用途や好みに応じて選ぶのが重要です。


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